ヒトのiPS細胞を、大量培養する新技術を京都大などのグループが開発した。
大量のiPS細胞が必要な脊髄(せきずい)損傷などの再生医療に適した量を安定供給する実用システムにつながると期待される。
iPS細胞は無限に増える能力を持つが、量産は難しい。
大きな容器に培養液を入れて増やそうとすると細胞が底に沈んで増えなくなる。沈まないようにかき混ぜると細胞が傷つくおそれがある。また、細胞の塊が大きくなると内部まで栄養が届かなくなる。
京大の中辻憲夫教授らは、食品添加物に使われる増粘剤を培養液に加えると細胞が沈まなくなることを発見。
別の添加剤で細胞の塊同士をくっつきにくくさせ、大きくなった塊を網目に通して安全にバラバラにする技術も確立した。
その結果、培養液200ミリリットルの容器で、直径10センチの培養皿約20枚分の高品質なiPS細胞を得ることに成功した。
今後、企業と連携し、3年以内に大型タンクで大量培養するシステム作りをめざす。
STAP現象が、色々な意味で騒がしく注目されていますが、この様に、再生医療が実用化に向けて進んでいるのは嬉しいです。
副院長