自閉症の人の脳では、そうでない人と比べてある種の免疫細胞の数が増え、その活動も活発になる傾向があることを、浜松医大と中京大などのグループが臨床研究で確かめたと発表した。
この細胞の働きを抑えることができれば、自閉症の治療や予防法の開発につながるという。
特殊なPET(陽電子放射断層撮影)装置で観察したところ、自閉症の人では脳内の損傷修復を担う免疫細胞の「ミクログリア」が各部位で一様に多く、活発になっていた。
ミクログリアは胎児期に脳に定着すると考えられている。
研究グループは、自閉症の人は複数種類の神経で情報伝達がうまくいかないことを確かめており、これにミクログリアの異常が関わっているとみている。
浜松医大の森則夫教授(精神神経医学)は「症状との関係が分かれば、働きを抑える治療が可能になると思う」と話す。