科学雑誌ネイチャーに、低カロリー食で健康になることはあっても、寿命は延びないという研究結果が載ったそうです。
昨今のダイエットブームには向かい風の内容ですが、まあダイエットされている方は長寿というより体型を気にされてのダイエットだとは思いますが。
こういった研究結果を見るときは、結果を鵜呑みにするのはよくありません。とくにマスメディア経由の情報は、センセーショナルな見出しで目を引こうとします。かくいう私もヤフーニュースで知ったのですが。
研究をするときは、必ずその研究条件を見る必要があります。また同じような研究で違う内容の結果が出ていることも多々あります。今回は、アメリカで、低カロリー食で寿命は延びるという結果のグループもあり、条件を見ると、内容は省きますが、低カロリー食でも普通食でも、規則正しい食習慣なら寿命は延び健康になると言えそうです。また低カロリー食というのも、普通食の30%減のカロリーだそうで、それにはビタミンなどの栄養素は十分に必要そうです。
昔は人間の寿命はかなり短く、ここ100年ほどで急激に延びてきています。これには医学の進歩、出生時の死亡率の低下など、外的要因や統計上のロジックがあり、規則正しさだけで言うと、今よりも昔のほうが規則正しかったのではないかと思います。
ただ絶対的に栄養分が不足していたり、今は治せる病気でも亡くなっていたのだろうと思います。
また人間は、とくに現代では食べることで得る満足感、愉しみという感覚もあり、やはりおいしい物を食べるのはやめられないものです。おいしい物はたいがい高カロリーです。おいしいものを食べると、幸福ホルモンが分泌され、制限された生活を送るよりも長生きできるとも言われています。
そうじて私の見解ですが、昔と違って現代は食習慣も不規則になって、通常は寿命が縮むはずであるが、富栄養と進歩した医療の力によって、結果として寿命が延びているものと思われます。ですから医療費もかさむわけです。
歯科の分野は食事に直結します。食べれないというのは人生の愉しみの大きな割合を失うと思います。自分が行っている治療で、食事ができ(もちろん規則正しく、)長生きできるようになってもらえると喜ばしいかぎりです。
たまに患者さんで、入れ歯を治してもらって体重が増えましたと、うれしいことを言ってくださる患者さんもいらっしゃいますが、ほんとは寿命を考えると食べすぎは良くないんでしょうね。
かくいう私はかなり不規則な食生活を送っているので、この記事に逆行して長生きできるか検証してみたいと思います。
院長